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ボックストートバッグ ミネルバボックス

  • AZZWELL
  • 2021年5月16日
  • 読了時間: 3分

更新日:9月1日

贈り物から始まったボックストートバッグ(ミネルバボックス)

今から7〜8年前のこと。

贈り物として仕立てたのが、この「ボックストートバッグ」でした。

そり立つ箱型のシルエットに、すっきりとした表情をもつトート。

素材にはイタリア・バダラッシ社のミネルバボックスを選び、生成りの革を仕立てました。

年月を経てなお現役として活躍していると聞き、嬉しさと誇らしさを覚えたのをよく覚えています。

生成りだった革は飴色に変化し、持ち主と時間を共有したような風格を纏っていました。


ミネルバボックストートバッグ

ミネルバボックスならではの経年変化

このボックストートバッグの最大の魅力は、ミネルバボックスならではの経年変化です。

植物タンニン鞣しの革は、使うほどに色艶を深め、唯一無二の表情に育ちます。

当初はやや柔らかく、手に馴染みやすい質感。

ナチュラルな生成りは日光や手の油を吸収し、時間とともに濃く色づいていきます。

写真にあるような色味は、その過程を素直に映し出したものです。。

革好きにとって、この「変化を楽しむ時間」こそが何よりの価値といえるでしょう。



ミネルバボックス経年変化


機能性を高める工夫とデザイン

見た目の美しさだけでなく、日常での使いやすさにもこだわっています。

内装には裏地をあしらい、片側にはファスナーポケットを配置。

鍵や小物を分けて収納できる仕様です。

開口部にはホックを取り付け、荷物をしっかり守る安心感も確保しました。

さらに両サイドには短めの帯を設置。

荷物が少ないときは内側に軽く引き絞ることで、シルエットをコンパクトに変化させられます。

帯の先端にはナスカンを取り付け、鍵を吊るすキーホルダー代わりとしても機能します。

シンプルな見た目に反して、細部には多くの工夫を忍ばせています。


ミネルバボックス使用のトートバッグ

黒やネイビーへと続く定番の進化

生成りのモデルを原点に、その後は黒やネイビーなどの革を用いて少しずつ改良を重ねてきました。

ステッチの取り回しやサイズ感を微調整しながらも、基本の構造と考え方は変わりません。

「長く作り続け、少しずつ育てていく定番」。

これは作り手として大切にしている姿勢です。

一見コンパクトながら底面がしっかりとした四角形なので、収納力は想像以上。

財布やスマートフォン、ポーチや手帳など、日常の必需品が無理なく収まります。


見た目は控えめですが、その中に詰まった工夫と素材の良さが、じんわりと伝わるようなバッグです。

手にした人とともにゆっくりと時間を重ねていける。

そんな革製品をこれからもつくり続けていきたいと思います。


ミネルバボックス使用のトートバッグ


AZZWELL - Leather & Metal Craft -

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