Archive bag 4 / アリゾナレザーメッセンジャーバッグ
- AZZWELL
- 2021年2月28日
- 読了時間: 2分
更新日:10月31日
素朴なウエストバッグからの着想
アウトドアブランドが出していたような、昔ながらのシンプルなウエストバッグ。
あの素っ気なさというか、潔いデザインには今でも惹かれる部分があります。
ただ、それをそのまま街で使うのはちょっと… という思いもあり。
そんな中で「もう少しタウンユース寄りにできないか?」という、ぼんやりしたイメージをもとにレザーメッセンジャーバッグを作ってみました。

レザー選びと仕立ての工夫
素材は2種。
黒のほうはイタリアのアリゾナレザーを使用。いつものように表情豊かで安心感のある革です。
ベージュのほうは、イギリスのスーパーバック。
個人的にこの革がとても好きで、キメが細かく、触れるとしっとりとしたなめらかさがあります。
ただ、スーパーバックは革の繊維構造的に漉き(革を薄くする加工)を入れづらいので、なかなか使う機会がない素材でもあります。
今回はそのスーパーバックをヘリ返し(革の端を折り返す技法)で仕上げており、自分でも「よくやったな」と思う仕立て。
素材の厚みと柔らかさのバランスを見極めながら、慎重に作業を進めました。
機能性とディテールの実験
ちなみに、写真には写っていないのですが、ショルダーストラップの調整には、M.Porterge(マンハッタンポーテージ)などでよく見かけるワンタッチ式の金具を使用しています。
とはいえ、素材がレザーなので、ナイロンのようにスムーズにはいかず「ワンタッチ」と言えるほど軽快な操作感ではありません。でも、それも味として。
容量的には、ペットボトルや長財布、手帳など、必要なものは一通り収納可能。
自転車通勤時にも便利なサイズでした。
ただし、A4のクリアファイルは折らないと入らないので、その点ではやや不便に感じる場面も。
レザーメッセンジャーバッグとしての意味
完成したもの自体よりも、「どう変化させていくか」を探る分岐点だったことに、この一点の価値があります。素朴さを大切にしながらも、街に馴染むレザーメッセンジャーバッグを目指す。
結果として、このバッグはそれほど頻繁には使わなかったのですが、ここをきっかけに「A4クリアファイルがそのまま入る鞄」をテーマにした製作期に入ることになります。
今思えば、その最初の分岐点のような一品でした。


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