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鹿革吟面ミニショルダーバッグ|軽くて柔らかい“革のシルク”を楽しむ

鹿革の質感を楽しむ吟面ミニショルダーバッグ

今回オーダーで製作したのは、鹿革の吟面(ぎんめん)を使ったミニショルダーバッグです。

スマホと財布を入れてちょうど良い、まさに“日常にちょうどいい”サイズ感。

必要な物だけを軽やかに持ち歩きたい方に向けて、シンプルで飽きのこないデザインに仕上げました。


なにより特筆すべきは、鹿革の独特の肌触り。

「革のシルク」と呼ばれるほどの滑らかさと、ふわりとした柔らかさ。

それに加えて驚くほどの軽さがあり、一度手にすると“重さのストレス”が消えるのを実感いただけます。

今回採用した吟面は鹿革本来のきめ細かい風合いがダイレクトに伝わる素材で、ナチュラルな品の良さが際立つ仕上りも特徴です。


鹿革ミニショルダーバッグの吟面を拡大

鹿革が優れている理由 ─ 軽い・丈夫・柔らかいの三拍子

鹿革は、一般的な牛革と比べて繊維の絡みが細かく、伸縮性があり、耐久性にも優れています。

軽いのに強靭、なおかつ柔らかい。

アウトドア用品や武具に使われてきた歴史があるほど、実用性にも信頼があります。

ただし鹿は野山を駆け巡る動物...

どうしても表面に小傷が入りやすく、吟面(表面)にはわずかな傷跡が残ることがあります。

これは“天然素材の証”とも言えますが、当工房ではできる限り良い部位を選び、見た目のクオリティが損なわれないよう丁寧に裁断しています。

吟面を使うことで、鹿革特有のしっとりした質感と、使うほど手の油を吸って艶が出る経年変化を楽しめ、長く付き合うほど艶が出て美しく変わる──それも鹿革の魅力です。


鹿革吟面ミニショルダーの重量を計測している

“見た目以上の収納力”と革だけのストラップ

設計のこだわりとして、底に向けて徐々に広がる“台形のマチ”を採用しました。

これにより横から見ると薄くミニマルな印象ですが、収納すると内部空間がふわっと広がり、スマホ・財布・鍵・小物までしっかり収まります。

形は丸みを帯びているのに、印象はすっきり。

「小さすぎず、大きすぎない」絶妙なバランスで、男女どちらが持っても馴染むニュートラルなフォルムです。

ショルダーストラップは、調整金具を使わず“革だけで長さを変えられる仕組み”になっています。

金具を使わないことで軽さが損なわれず、見た目のノイズも排除、バッグ全体の印象がよりミニマルにまとまりました。

強度が必要な部分には厚みのある鹿革を使い、しなやかさと耐久性を両立させています。

手で触れるたびに「鹿革ってこんなに気持ちいいんだ」と感じていただけるはずです。



吟面使いのための“ひと手間”

鹿革の吟面(表)を使う場合、内側のスエード面から革粉が出る点は避けられません。

一般的には裏地を貼って隠しますが、それでは重量が増え、鹿革本来の軽さを損なってしまいます。

そこで当工房では、裏地を使用せずに軽量を保ちつつ、革粉の付着を抑える“スムース加工”を一点一点手作業で施しています。

これにより内部がさらりと仕上がり、荷物に革粉が付かず、鹿革の軽さを損なわない快適な使い心地となっています。

実用性と軽さの両立は、なかなか難しい課題でしたが、この工程を加えることで軽やかな使い心地と長期使用の安心感を実現しました。


吟面使いの鹿革ミニショルダーバッグのシルバー925引き手

さりげない高級感。シルバー925のオリジナル引き手

ファスナーの引き手は、当工房オリジナルのシルバー925製。

小さなパーツですが、ふと視界に入ったときや手に触れたときの満足感は想像以上です。

鹿革のしなやかさと、手作りシルバーの落ち着いた輝き。この組み合わせは、控えめながら確かな存在感があり、バッグ全体の印象を上げてくれます。


牛革の重さや硬さが苦手な方、柔らかくて軽いショルダーバッグを探している方には、鹿革の吟面使いは理想的な選択です。一度触れると、他の革にはない質感の良さと、使い込むほど増す艶にきっと魅了されると思います。

日常の外出に必要なものを無理なく収め、持ち運べるサイズ。

そのうえ、天然素材ならではの温かみと、シルバーの上品さをあわせ持つひと品です。

気軽に使えて、長く使える。そんな“相棒のようなミニショルダー”として、ぜひ手に取ってみてください。


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