ブッテーロやリスシオの手縫い黒財布
- AZZWELL
- 2021年1月24日
- 読了時間: 3分
更新日:9月3日
ブッテーロという革と黒の相性
ブッテーロという革は、イタリア・ワルピエ社で生まれたタンニンなめしの代表格。
透明感のある艶と、堅牢さの中に潜むしなやかさが特徴です。
使いはじめは硬さを感じるかもしれませんが、手に馴染むにつれ光沢が増し、深みのある表情を見せてくれます。その中でも「黒」は、もっとも革の魅力が際立つ色だと私は感じています。
余計な装飾がなくとも、黒の奥行きがあるだけで十分に存在感を放ち、静かな強さを漂わせてくれるのです。

手縫いで仕立てるブッテーロ黒財布の味わい
この財布は、フランスの麻糸「シノア」を使って一針ずつ縫い上げています。
ミシンには出せないわずかな立体感が、革の質感と響き合い、全体の雰囲気をやわらかくしています。
シノアは強靭でありながらも独特の艶を持ち、年月を経ても糸切れしにくい素材。
革とともに時を重ねることで、糸にも深みが宿り、財布全体がひとつの物語を紡いでいきます。
シンプルな形に宿る工夫
黒のブッテーロを使った財布は一見シンプルですが、
その中に細かな工夫を詰め込んでいます。
カードの出し入れがスムーズになるように角度を調整したポケット、開いた時に自然とフラットに広がるように考えられた構造。実際に触れてみると、その「違和感のなさ」が心地よさに変わる瞬間があります。
デザインを主張しすぎず、でも使いやすさを裏で支える。そのさじ加減こそ、財布の静かな魅力なのだと思います。
黒だからこそ楽しめる経年変化
「黒は経年変化が少ない」と思われがちですが、ブッテーロの場合はむしろ逆です。
表面にうっすらと現れる艶、色味のわずかな深まり、手跡のように残る自然な光の反射。
派手な変化ではありませんが、日々の暮らしの中で少しずつ積み重なり、あなただけの黒へと育っていきます。控えめながらも確かな存在感を持つ経年変化は、長く愛用するにふさわしい逸品です。
長く寄り添う一品を
このは、黒革シリーズは華やかさよりも確かさを求める方にこそ選んでいただきたい一品です。
素材も仕立ても妥協せずに整えたからこそ、日常の中で安心して使える相棒となってくれるはずです。
革好きの方にはもちろん、初めて本格的な革財布を手にする方にもおすすめです。
手に取った瞬間から、黒の奥行きと手縫いの温もりを、ゆっくりと感じていただければと思います。
今回のメインとして仕立てたのがミニマルで無駄のない構造のLファスナー財布です。
黒革に黒糸で統一し、サイズはM。
そして、しばらく在庫切れとなっていた「ミニ財布として使えるマルチケース」も再制作しました。
こちらはさらにコンパクトな構造で日常使いにぴったりのサイズ感です。
こちらも黒革に黒糸の組み合わせで製作。

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