黒革
- AZZWELL
- 2021年1月24日
- 読了時間: 3分
更新日:6月15日
シンプルな黒という色が持つ力は時代が変わっても揺るぎません。
今回は定番でありながら奥行きのある表情を持つ黒革でいくつかの財布を仕立てました。
手縫いで一点ずつ丁寧に仕上げています。
静かで上質、シンプルでありながらどこか品のある存在。
そんな空気感をまとった黒革の小物を目指しました。
これまでしばらくの間、黒革の作品には赤や青、ベージュなど、カラフルな糸を合わせて彩りを加えるのが自分の中での流れでした。
色の対比が生むリズム感や遊び心があり、それはそれで魅力のある仕上がりになります。
ただ今回は、あえてスタンダードに立ち返る意味も込めて、「黒×黒」「黒×白」といったクラシックな組み合わせで数点制作しました。
黒革に黒糸の組み合わせは見る人によっては“地味”かもしれませんが光の角度でステッチの立体感が浮かび上がる、ささやかな美しさがあります。

黒に白を合わせた場合は、モノトーンの中に芯のあるシャープな印象が立ち上がります。
余計なことをせず、素材と縫製の精度で見せる。
そんな潔いデザインが自分の中ではしっくりきました。
今回のメインとして仕立てたのが「LW-03BKST」
ミニマルで無駄のない構造のLファスナー財布です。
黒革に黒糸で統一し、サイズはM。
カードも紙幣も収まりが良くポケットにもすっきり収まる。
デザインはシンプルでも、素材と手縫いの質感が確かな存在感を放ちます。
見た目の印象は控えめですが、使い込むほどに光沢と柔らかさが増していく。
そんな革本来の変化も楽しんでいただける一品です。

そして、しばらく在庫切れとなっていた「SW-01BK」も再制作しました。
こちらはさらにコンパクトな三つ折り構造で、カードと紙幣、小銭をそれぞれ収納可能。
コンパクトながら機能性はしっかり確保しており、日常使いにぴったりのサイズ感です。
こちらも黒革に黒糸の組み合わせで製作。
久しぶりに制作して改めて感じたのはやはりこのサイズ感と形状は完成されている、ということでした。
シンプルであるがゆえに、ごまかしがきかず手縫いの正確さや革の選定が仕上がりを左右します。
黒は一見どれも同じに見えますが革質や糸、仕立て方によってその表情は驚くほど変わります。
だからこそ、今回のような「静かな組み合わせ」を意識する制作は、自分にとっても新鮮でした。
華やかさはないかもしれませんが使うほどに滲み出る“質の良さ”を感じてもらえたら嬉しく思います。
AZZWELL - Leather & Metal Craft -
国分寺市南町2-1-27 1F
銀製品, 革製品, 革小物,ベルト, 財布, 鞄 製造