エトルスコを使ってオーダーベルト製作
- AZZWELL
- 2021年11月12日
- 読了時間: 3分
更新日:10月20日
イタリアンレザー エトルスコを使用したオーダーベルト
今回はお客様の持ち込みバックルを活かし、イタリア・ワルピエ社のショルダー革「エトルスコ」を使ってオーダーベルトを製作しました。
選んだカラーはチョコレート。深みのある色合いと、肉厚でありながらしなやかな質感を兼ね備えた革は、使用するほどに艶と色の深みを増していきます。
イタリア鞣し協会が認める伝統的なタンニン鞣しの革ならではの、豊かな経年変化を楽しんでいただけます。
裁断から始まる工程
今回のバックル幅は約30mm。
ベルトは29mmに裁断し、垂直にカットすることで美しいラインを保ちました。
革は一枚の状態から柔らかい部分を避け、より強度と美観に優れた中心部分を使用。
オーダーサイズに余裕があったため、両端を落とし中央のみを採用することで、仕上がりに一層の上質感を加えました。
その後、四角い断面をコバ落としで丸みを持たせます。
エトルスコは柔軟性があるため、数回に分けて慎重に成形。
焦げ茶の染料で色を入れると、黒に近い濃さから少しずつ馴染んで自然なチョコレートカラーへと変化していきます。

コバ仕上げと磨きの工程
革の端は毛羽立ちが出やすいため、最初に#400のヤスリで削り、色を入れては磨く工程を繰り返します。徐々に番手を上げ、#600、#800と進めることで滑らかさを増し、最後はフノリを塗布して磨き上げました。さらに電気コテで熱処理を加えることで、繊維を締めて強度を補強。
長く使えるオーダーベルトに不可欠な工程です。
ベルトの先端は特に負荷がかかるため、丁寧に仕上げて強度を確保。
1本の革が徐々にベルトらしい表情を見せていく過程は、緊張と喜びの連続です。


最初色を入れただけの状態です。
毛羽立ちが目立ってザラついているので少しづつヤスリをかけて滑らかに整形して行きます。

最初は#400でざっとヤスリかけて,また色を入れます。
#400で色入れて削ってを繰り返してだいぶザラザラ感が無くなりました




ベルトの先端は特に負荷がかかるため、丁寧に仕上げて強度を確保。
1本の革が徐々にベルトらしい表情を見せていく過程は、緊張と喜びの連続です。

バックル取り付けと仕上げ
仕上げた帯に、お客様持ち込みの重量感あるバックルを手縫いで取り付けます。
さらにサルカンも同様に手作業で作製。
幅の選定では12mmと13mmを試作して比較し、最終的に13mmがバランスよく収まりました。
わずか1mmの違いでも全体の印象は大きく変わります。

穴開けも重要な工程です。複数の形状を試した上で、今回は小さめの雫型を採用。
しかもご依頼は「1穴のみ」という仕様でした。
緊張感のある挑戦でしたが、結果的に持ち込みバックルと革の魅力を引き立てる個性的な仕上がりになりました。

長く使い続けられる一本へ
完成したオーダーベルトは、チョコレートカラーの革と重厚なバックルが絶妙に調和した一点物です。
長年の使用によりチョコレート色はさらに深みを増し、艶やかさが際立っていきます。
当工房では、追加の穴開けや手縫い糸の補修、コバのメンテナンスも承っております。
持ち込みのバックルを最大限に活かし、イタリア革の魅力を引き出した今回のオーダー。
時間とともに育つ革の表情を楽しみながら、末永くご愛用いただける一本に仕上がりました。

AZZWELL - Leather & Metal Craft -
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