「黒革の違い」──リスシオ・プエブロ・ブッテーロ・マイネ・サドルプルアップを手縫いで
- AZZWELL
- 2022年3月13日
- 読了時間: 3分
更新日:8月15日
見た目は同じ「黒」でも、革の産地や製法によって、その表情や質感、そして経年変化は大きく異なります。
今回は、イタリアやベルギーの名門タンナーが手掛けるリスシオ、プエブロ、ブッテーロ、マイネ、サドルプルアップの5種類の高級黒革を、すべて手縫いで仕立てたマルチケースを製作しました。それぞれの革が持つ個性を感じられる、革好きのための特別な逸品です。
選んだ素材は以下の5つ。いずれも高級皮革と知られる個性的な黒革です。
イタリア・ワルピエ社「ブッテーロ」
イタリア・バダラッシ社「プエブロ」「リスシオ」
イタリア・テンペスティ社「MAINE(マイネ)」
ベルギー・マシュア社「サドルプルアップ」
それぞれの革に異なる油分量や表面仕上げが施されており「黒」の見え方や質感、エイジングの方向性が異なる点がこの製品の面白さです。


今回のマルチケースでは、外装にプエブロとマイネのコンビを使用しました。
プエブロはマットで毛羽立ち感のある黒、マイネは比較的滑らかで油分を含み、やや艶のある黒。
両者を組み合わせることで、手触り・視覚ともに変化のある表情を生み出しています。

内装では、カードケース前面にサドルプルアップを使用。
こちらはベルギーらしい品のある艶が特徴で、マイネとの質感の違いが手に取るたびに感じられます。
内部には、自然な艶と柔軟性が魅力のリスシオ、そして同じバダラッシ社製ながらもマットな表情を持つプエブロをカード段に使いました。
同じ「黒」でもこれほど印象が違うのかと、仕上がりを見てあらためて実感しています。
このケースは、素材の組み合わせと配置を何度も試行錯誤しながら組み立てたものです。
それぞれの革が持つ経年変化──
艶が増すもの、しっとりしてくるもの、繊維の立体感が浮き出てくるもの──
そうした未来の変化を想像しながら、パーツを選びました。
使い込むほどに、革の違いがはっきりと浮かび上がり、1つのケースの中で複数の「黒の経年変化」を楽しめる構成になったと思います。
興味がある方は→Chaos Slim Case
今回はイタリア・ベルギー産の代表的な革で構成しましたが、機会があれば英国製のブライドルレザーやアメリカ・ホーウィン社のクロムエクセルなど、より癖の強い革でも制作を試みたいと思っています。
「同じ黒なのに、こんなに違う」そんな革の奥深さを感じていただける一品です。
革好きな方はもちろん、「自分だけの変化を楽しみたい」という方にもおすすめです。
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