一点だけに宿る ― ベルトにシルバーコンチョカスタム
- AZZWELL
- 2024年8月30日
- 読了時間: 2分
更新日:1 日前
マシュア(ベルギー産)のベンズレザーを使い数年前に製作した一本のベルト。
今回、そのベルトに一点だけシルバーコンチョを追加するカスタムを施しました。
先端にひとつだけコンチョを配したこの仕様、一見すると控えめでシンプルな装飾に見えるかもしれません。しかし、これが意外と難しい作業。
バランスが悪いとすぐに「中途半端」に見えてしまうからです。
逆に全体にスタッズやコンチョを配置するデザインのほうが模様でごまかしが効く分、見栄えを整えやすい面もあります。

うちで扱っているコンチョやスタッズはよくある中空の軽量タイプではなく銀無垢(ソリッドシルバー)
だから数を増やすとそれなりの重さが出てきます。
ただ、そのぶん一つひとつの存在感が段違い。
今回のようにベルトの先端にひとつだけ使うだけでもその重みと輝きが「ただの飾り」に終わらず全体を締めるアクセントとしてしっかりと機能します。
また、シルバーコンチョの取り付けは裏面に「ツメ」を立てて固定しています。
このツメも銀材から削り出しているため装飾品とはいえ堅牢な作り。
ベルトの革がしっかりしていないと押し負けてしまう構造ですが使用しているマシュアのベンズレザーは何年経っても変わらず硬質で緻密。
今回のカスタム作業でも差し込みに苦労するほどの堅牢さでしたが、そのぶん仕上がりの安定感には大きな信頼を感じます。
このベルトは、まさに「一生モノ」としてふさわしい一本。
素材の良さに加えて経年変化を楽しめる銀の装飾が加わることで使い手だけの表情が刻まれていきます。
年月を重ねるごとに革も銀も味わいが深まり世界に一つの存在に変化していく──
そんな楽しみが詰まっています。
ご希望の方はスタッズやコンチョカスタムの組み合わせをご相談いただければオリジナルの一本を製作いたします。

