削って削って、仕上げた一点物コンチョ
- AZZWELL
- 2024年12月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2 日前
バッグや財布の留め具として使うために大ぶりなシルバーコンチョを一点ずつ手作業で仕上げています。
今回製作したのは、鋭く伸びた8本の放射状のラインが特徴的な存在感のあるコンチョ。
最初は一枚の銀板からスタート。
糸鋸でおおまかに切り出しヤスリやリューターなどの道具を使ってひとつひとつの先端を削りエッジを整えていきます。
少しずつ角度を変えながら全体のバランスをとって立体感を出していく作業は時間がかかるうえ集中力を必要とする工程です。

仕上がりは一見シンプルに見えますが放射の角度や先端の厚み中心部の膨らみなど細かい部分を一つずつ調整しながら形を作っています。
手作業だからこそ出せる質感と工具の跡をほんのり残すことで生まれる温もりがこのコンチョの魅力です。


このようなコンチョはバッグや長財布の留め具として使われることが多いですが実用面にも一工夫加えています。
というのも、コンチョを日常的に使うアイテムの留め具にするとどうしても経年変化によって緩んできてしまうんです。
特に革紐どめやネジ留めの構造は使っていくうちに緩んだり回転してしまったりという不具合が起こりやすく、せっかく気に入って使っていただいてもグラグラと不安定になってしまっては台無しです。
そうした問題を少しでも防ぐために当工房では独自に開発した金具と取り付け構造を採用しています。
裏からしっかりとコンチョを固定できる仕組みにしており、日々の使用で緩むようなことが起きにくい工夫を施しています。
表から見える美しさと隠れた機能性。
その両立が長く使ってもらえるものづくりには欠かせません。
一点物であること、手間をかけて仕上げていることはもちろんですがそれ以上に「長く安心して使ってもらいたい」という気持ちが、このコンチョには込められています。


