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シルバー925コンチョの手作り制作風景

  • AZZWELL
  • 11月11日
  • 読了時間: 4分

更新日:11月28日

財布や鞄のアクセントとして、またベルトの装飾として。

小さなパーツながら、全体の印象を決定づける存在――それが「シルバーコンチョ」です。


今回は、AZZWELLで製作したシルバー925コンチョの手作り風景ををご紹介します。

一枚の銀板から立体的な造形へと変化していく、その過程には手仕事ならではの緊張感と、静かな楽しさがあります。

銀盤からくり抜いたコンチョの原型

板から始まる手作りシルバー925コンチョ

まずは板材から、コンチョの大まかな形を切り出していきます。

今回はフラワー模様をベースにした丸型と楕円型。

SサイズからLサイズまで、形のバランスを見ながら一枚ずつ切断します。

外周には波のような動きをつけるため、糸ノコの進め方にも神経を使います。少しでも角度を誤ればラインが不自然になってしまうため、スピードを抑え、ゆっくりと慎重に。

硬い金属でありながら、繊細な曲線を手で整えるような慎重さが求められます。


立体感を生む内枠の成形

次に、コンチョの内側に立体感を持たせるための“内枠”を切り出します。

これは単なる厚みの調整ではなく、指で触れたときに感じる自然なカーブを生み出す重要な工程です。

手のひらで少しづつ確かめながら、少しずつ曲面を整えていきます。

削りすぎても平板な印象になり、足りなければ硬い印象になる...

「触れて、見て、美しい」かどうかを基準に、手と目で確かめながら微調整を重ねます。


完成した鏡面仕上げのシルバー925コンチョ

重なりで生まれる奥行きと存在感

ベースが整ったら、中央に別のコンチョを組み合わせます。

異なる大きさや模様を重ねることで、ひとつの造形に奥行きが生まれます。

同じ銀でも、面の角度が違えば光の反射も変わり、存在感が一気に増します。


装飾の仕上げには、オリジナルのタガネを使って模様を刻んでいきます。

周囲に飾り穴を開け、花弁の形や曲線の流れを整えながら、少しずつ打ち込む。

この工程は最も神経を使います。

どのような模様にするか... 入れすぎれば全体がうるさく見え、少なすぎると単調になる。

バランスを見極めながら、一点ずつ考えながら表情を探るように刻んでいきます。

手を止めては眺め、また少しだけタガネを打ち込む。

静かな時間の中で、銀の表面に“手の跡”が残っていく瞬間です。


立体感を決める、最終の仕上げ工程

タガネで装飾を入れた後は、外周をフラットに整え、中央のみを半球状に膨らませて立体感を加えます。

この工程は見た目以上に繊細で叩く角度や力加減を誤ると金属が歪み、全体のバランスが崩れてしまいます。

コンチョの輝きや表情の深さを決定づける、仕上げ工程の中でも特に重要な工程です。

感覚と経験の積み重ねが、そのまま仕上がりを左右します。


シルバー925コンチョにタガネで模様を入れている様子

無地の静けさ、一点モノの華やかさ

AZZWELLでは、あえて装飾を入れない「無地のコンチョ」も製作しています。

鏡面仕上げのプレーンタイプは、銀そのものの質感と輝きを楽しめるアイテム。

一方で、手彫りの唐草模様や別デザインのコンチョを組み合わせたタイプは、表情豊かで存在感があります。

どちらも「これで完成」と言える明確な正解はなく、使う人や使われる場所によって美しさが変わる。

だからこそ、コンチョ作りは奥が深く、飽きることがありません。


手作業で作られるシルバーコンチョには、わずかな歪みや打痕が残ります。

それは不完全ではなく、“人の手で作られた証”です。

タガネの角度や打ち込みの強さで印象は変わり、まったく同じものは二つとありません。

まさに一点モノ

財布やカバン、ベルトなどに取り付けることで、他にはない個性を引き出します。


楕円型やさまざまな組み合わせの販売も予定していますが、今現在は丸型のシルバーコンチョをオンラインショップで販売しています。「シンプルだけど存在感のあるパーツが欲しい」「自分だけの一点を選びたい」そんな方に、ぜひ手に取っていただきたいアイテムです。


時間をかけて仕立てたシルバーコンチョをどうぞご覧ください。


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完成したラウンドフラワーシルバー925コンチョ



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