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シルバー925バックル × スタッズのオーダーメイドベルト

更新日:10月14日


シルバー925スタッズバックル × オーダーメイドベルト

ありがたいことに、今回ご依頼いただいたお客様からはこれで3度目のオーダー。

リピートでご注文をいただけるというのは、作り手としてとても嬉しいことです。

今回はシルバー925バックルにミニピラミッドスタッズをカスタムしたオーダーメイドベルトを製作しました。


スタッズカスタムシルバー925バックルを斜め左上から見て

選ばれた素材 ― イタリアGB社「ミラージュレザー」

セレクトされた革はイタリア GB社の「ミラージュレザー/黒」

厚みがありながら柔軟性もあり、繊維密度の高さからくるきめ細かさが特徴です。

ダブルバット(牛の腰からお尻にかけての部位)ならではの張りと強度もあり、まさにベルトに適した素材といえます。

当工房では、革の種類によって仕立て方を変えています

今回のミラージュは、厚みや仕上がりの見栄え(後のネン入れも含めて)を考え、サドルレザーやベイカーのブラドルレザーに比べて、コバ(革の切れ目)の落とし方をわずかに鋭角につけました。

この作業、実はとても神経を使います。

ミラージュは適度な柔らかさがあるので、小さな豆カンナで角度をつけるのがなかなか難しいのです。

レザーオーダーベルトのコバ落とし制作風景
レザーオーダーベルトのコバ落とし制作風景2

コバ仕上げと「ネン入れ」の判断

ミラージュレザーはイタリアらしい上品な吟面を持っています。

そのため、コバには耐久性と見た目の引き締まりを考えてネンを入れました。

ネンを入れるか入れないかで、仕上がりの印象は大きく変わります。

写真を見れば一目瞭然(右側のみネン入れアリ)、まるで別物のように表情が違うのです。


一方、4〜5mm以上あるサドルやブラドルのような堅牢な革にはネンは入れません。

素材特性を活かすことが、最終的に見た目にも理にかなうからです。

製作する際は小物でもカバンでも、革の特性をどう活かすかを常に考えています。

時には目立たない細工を加えることもありますが、それもすべて「仕上がりを一番良い状態に導くため」です。

レザーオーダーベルトのネン入れ作業

バックル制作 ― ミニスタッズのロウ付け

次に取りかかるのはバックルの制作。

今回はシルバー925のバックルにミニピラミッドスタッズをセットします。

まずはスタッズそのものを作り、位置を決めてからロウ付け(溶接)を行います。

ガイドはありません。頼れるのは自分の目と感覚だけ。

ほんの少しのズレでも、バックルの鋭角なラインのせいで大きな歪みに見えてしまいます。

だからこそ一呼吸ごとに慎重さが求められるのです。

ロウ付けに限らず、シンプルな工程ほど難しい。

スポーツで「基礎が大事」と言うように、ものづくりの世界でも基礎の積み重ねこそが仕上がりを左右します。毎度作業しながら、そのことを改めて実感します。

仕上げにピンを作り直し、磨き上げてバックルが完成。

シルバー925バックルの制作風景
シルバー925バックルのロウ付け完了写真

最後の仕立て ― 手縫いで一本のベルトへ

最後は、磨き上げた革帯と完成したバックルを、いつものように手縫いでしっかりとセットします。

ここで一本のオーダーベルトが形になります。


そして最後の最後、ベルトホールを開ける瞬間。これは毎度のことながら、やはり緊張しますね…

一本一本が「その方のためだけに」仕立てるオーダーメイド。

たった一発で決まってしまう作業だからこそ、集中と慎重さが求められます。


そうして仕上がった一本を手に取っていただき、お客様が喜んでくださる。

先週の鹿革ショルダーのお客様もそうでしたが、ネット販売を通じてご注文いただいた方々から、ときに温かいお言葉を添えていただくことがあります。


直接お会いすることはなくても、「大切に使っています」「想像以上でした」といった声が届くと、ものづくりに携わる者として本当に励みになります。

自分の仕事が確かに誰かの暮らしの一部になっていることを実感できるからです。

お客様に支えられ、励まされながら、また新しい挑戦を積み重ねていける。

その積み重ねこそが、自分にとって何よりの糧であり、続けていく力になっています。


シルバー925 スタッズバックル 25mm オーダーメイドベルト
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完成したシルバー925バックル使用のオーダーメイドベルト
オーダーメイドベルトのベルトホール










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