一粒万倍日に向けて,使い方を限定しない“ミニ財布”
- AZZWELL
- 3月6日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前
2月は一年の中でも縁起の良い日が多く、新しい財布を迎えるタイミングとして選ばれるお客様が増える時期です。中でも「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」は小さなことが何倍にも大きく膨らむとされる日。
新しいことを始めたり、長く使う道具を手に入れたりするのに適した日とされています。
そんな吉日に向けて当工房でも2月はたくさんの“ミニ財布”を製作させていただきました。
私たちが“ミニ財布”と呼んでいるこのシリーズには「財布」という機能にとらわれない発想を込めています。あえて「財布」という言葉を使いながらも実際の設計ではカードケース、アクセサリーケース、名刺入れ、小物入れなどさまざまな使い方を想定したマルチユースなケースとしてデザインしています。
例えば、キャッシュレスが進んだ現代においては「財布」の定義そのものが曖昧になっています。
現金を持たない日も増えコンパクトな収納力や多用途性の方が求められる時代になりました。
だからこそ私たちは「財布としての役割を終えた後にも別の使い方で末永く使い続けていただけるもの」を目指してミニ財布を製作しています。
写真のミニ財布にはイタリア・バダラッシ・カルロ社の高級皮革「ミネルバボックス」を使用しています(一部除く)植物タンニンでなめされたこの革は柔らかなシボ感としっとりした手触りが特徴。
革の表情には一枚一枚個体差があり同じものは二つと存在しません。
そして何より魅力なのは、使い込むほどに美しく艶が増していく“経年変化”。
手の脂や空気中の湿度、日々の摩擦が加わることであなただけの深みのある色へと育っていきます。
さらに今回の制作ではホック部分を赤い革でくるんだ“くるみボタン”カスタムも行いました。
ちょっとしたパーツの色味を変えるだけでも全体の印象がぐっと引き締まり手に取ったときの満足感や個性が際立つ一品になります。
こういった細かなご要望にもお応えできるのは手作業で一点一点仕上げている当工房ならではの強みです。

手のひらサイズで軽やかな存在感は自分用としてはもちろん贈り物やお守りのような存在としても選ばれています。一粒万倍日や新生活、誕生日など「新しいスタート」を後押しするタイミングにぴったりの品物。
世の中はますますコンパクトに、そして“モノを持たない”方向へ進んでいます。
そんな時代にあえて「持つ」意味を考えたときそれはただ便利なだけではない感覚や気持ちに響く存在であってほしいと思います。
財布として、名刺入れとして、小物入れとして...
持ち主のライフスタイルに合わせて柔軟に変化していけるミニ財布という“器”が日々の暮らしに静かに寄り添ってくれることを願っています。


