ミネルバボックスの生成りで仕立てたミニ財布
- AZZWELL
- 2024年3月1日
- 読了時間: 2分
更新日:6 時間前
在庫切れとなっていた定番のイタリア・バダラッシカルロ社のミネルバボックスを使ったミニ財布の生成り色を久しぶりに製作しました。
この革を扱う時は、普段よりも制作の段階で特に気をつかいます。
理由はシンプルで、生成りの革はちょっとした手の脂や工具の金属汚れもすぐに目立ってしまうからです。
表面がまだ繊細で、いわば“生まれたての肌”のような状態。
裁断から縫製、仕上げまで、手を止めるたびにクロスで拭きながら慎重に進めました。
ですがその分、完成したときの美しさは格別です。
生成りならではの清廉な雰囲気があり、人工的な色にはない柔らかさと個性を感じます。
そしてこの革の最大の魅力は時間とともに深く色づいていく“育ち方”にあると思っています。

ミネルバボックスは、植物タンニン鞣しの革として有名な「バダラッシ・カルロ社」の代表的な素材です。
じつはこの革、私自身が使い始めてからもうすぐ20年以上になります。
扱いやすさ、仕上がりの表情、香り、そして何より経年変化の美しさ――
数あるタンニン鞣しの中でも、使っていて“飽きない革”の筆頭だと思っています。
数ヶ月もすれば少しずつツヤをまとい、手に取るたびに馴染んでいきます。
とくに生成りは、最初は白っぽく素朴な印象ですが光や手の油分を受けてゆっくりと飴色に変化していくのが魅力です。
“汚れやすい”と敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろその変化こそが魅力だと思える方にとってはきっとたまらない素材になるはずです。
今回仕立てたミニ財布は、コインポケット・カード・お札をコンパクトにまとめられる設計です。
キャッシュレスが進んだ今、財布に求められる条件も変わってきました。
大きすぎずポケットや小さなバッグにも無理なく入るサイズ感は日常使いにちょうどよいバランスです。