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イタリアンレッドのナロー幅オーダーベルト|ブッテーロ革で仕立てる一本

今回製作した革ベルトは、20mmのナロー幅で仕立てたイタリアンレッドのオーダーベルト。

革の選定から幅の判断、仕立ての細部に至るまで、完成時の佇まいを見据えて設計しています。

単なる差し色としての赤ではなく、装いの中で“線”として機能することを意識して仕立てた一本です。主張しすぎず、しかし確実に視線を引き寄せる。そんなバランスを狙ったオーダーとなりました。


オーダーベルトに適したナロー幅と革選びについて

ベルト革には、イタリア・ワルピエ社のブッテーロを採用しました。

タンニン鞣しでありながら、イタリアらしいクリアで深みのある発色が特徴です。

一般的な赤革は平坦に見えてしまうこともありますが、ブッテーロの赤は違います。光の当たり方で微妙に表情を変え、使い込むほどに色に奥行きが増していく。派手さではなく、質として成立する赤


イタリアンレッドの革を裁断している

来店相談から生まれた一本

今回のお客様は、和装で使用するスタイリングアクセントとしてベルトをオーダーしに来店されました。

ご相談当初は、より存在感のある幅広ベルト仕様も視野に入っていました。

しかし用途や装い全体のバランスを踏まえた結果、最終的に選んだのは20ミリ幅のナロー仕様


細身であることで、色の強さが前に出すぎず、それでいて一本のラインとして印象に残る。

幅を抑えたからこそ、赤が洗練され主役にも脇役にもなれる柔軟さを持ったベルトに仕上がりました。

バックルには、真鍮素材に光沢あるシルバーメッキを施した厚みのあるものを選択。軽やかな赤革に対し、適度な重みと落ち着きを与え、全体を引き締めています。


切り出された赤い革の帯

ナロー幅だからこそ際立つ、緻密な手仕事

いつものように製作は、まず革を垂直に裁断するところから始まります。

20ミリという細幅は、一見シンプルに見えて実は難易度が高く、少しでも角度がズレると完成時のラインが歪んでしまいます。

次に、コバを豆鉋で少しずつ面を落とし、革の厚みに合ったRをつけて整える工程へ。

ブッテーロの繊維の詰まり方を見極めながら、何度も磨きを重ね、滑らかな手触りを目指します。

さらに仕上げに捻を入れます。ほんのわずかな工程ですが、これを施すことで輪郭が引き締まり、全体の完成度が一段上がります。

最後に、バックルを手縫いで固定。糸にはフランス製の麻糸「シノア」を使用し、ナロー幅に見合うバランスでステッチを配置しました。

機械縫製では出せない、手仕事ならではの温かみが宿ります。


赤い革の帯のコバを豆鉋で落としている
赤い革の帯にコテでネンを入れている
赤い革の帯にバックルを手縫いしている

完成 ― 色と線で成立する一本

完成したベルトは装いを支えるための“線”として存在します。

イタリアンレッドの発色、20ミリという細さ、そして重みのある真鍮バックル。

それぞれが主張しすぎることなく、組み合わさることで初めて一本としての完成度を持つ。

使い込まれることで革の艶が深まり、赤は落ち着きを帯び、より持ち主に馴染んでいくはずです。


AZZWELLでは、このように用途や背景に合わせたオーダーベルトを一つひとつ丁寧に仕立てています。

特別な場面で使う一本が欲しい方、色で印象を変えたい方、細身でも存在感のあるベルトを探している方は、ご相談ください。流行ではなく、これからの時間を基準に選ぶ。

自分の使い方で育てる一本をお探しの方に、オーダーベルトという選択肢をおすすめします。



完成したイタリアンレッドのベルトを置いて




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