Archive / ミネルバボックスのレザーエディターズバッグ
- AZZWELL
- 2021年2月20日
- 読了時間: 3分
更新日:9月2日
レザーエディターズバッグ制作の背景
今から15年ほど前でしょうか。
当時は仕事の打ち合わせに行くたび、大量の革見本や資料を鞄に詰め込んで持ち歩いていました。
市販の鞄だと入りきらなかったり、耐久性に不安があったりして「もう自分で作るしかない」と思って作ったのがこのレザーエディターズバッグです。
外装にはミネルバボックスを使用。
ただしそのままだと厚すぎるので、全体的に薄漉きして軽さも考慮。
ハンドルと肩紐にはブッテーロを合わせ、見た目にも素材感にコントラストを出しています。

細部へのこだわり
このエディターズバッグは単なる収納バッグではありません。
ファスナー周りには補強革を当て、ハンドルの根付部分にはWステッチを施しました。ファスナーの引き手にはSilver925で作った小さなパーツも取り付け、細部にまで手仕事の証を残しています。
内装はミニヘリンボーンの綿生地で仕上げ、片側にはファスナー付きの貴重品ポケット、反対側には携帯用の叩きつけポケットを配置。打ち合わせの合間に必要なアイテムをすぐ取り出せる、実用性を重視した作りです。

使用シーンと試行錯誤
当時は黒く大きな鞄ばかり何個も作っていましたが、ほとんどがサンプル止まり。
重さや作り込みにこだわりすぎて使わない鞄も多くありました。
しかし、このエディターズバッグだけは実際に活躍しました。
革見本帳を何冊も詰め込み、複数の打ち合わせを回った経験は、耐久性や持ちやすさを設計に反映する上で非常に参考になりました。
手持ちでも肩掛けでも使える設計は、長時間の移動でも疲れにくく、素材と構造のバランスを改めて実感できるものでした。
ミネルバボックスとブッテーロの魅力
このバッグの最大の特徴は素材です。
ミネルバボックスは経年変化による艶やシボの表情が豊かで、使うたびに味わいが増します。
ブッテーロの肩紐は張り感があり、手に持ったときの安定感が絶妙。
異なる革の組み合わせが、バッグ全体の高級感を底上げしています。
また、素材の特徴を活かしながら、軽さや実用性も両立させるために薄漉きやWステッチなどの工夫を施しました。ハンドメイド鞄だからこそできる、素材へのこだわりと手仕事の細やかさが詰まった一品です。
当時の思い出と現在
今思えばかなり細かく作り込んでいました。
持ち手もやや厚めに仕立てて頑丈に。
実際、革の見本帳を何冊も詰めて何件も打ち合わせを回った記憶があります。
ただ手持ちだとさすがに重く、ほとんど肩掛けで使っていました。
今になって思えば、もう少し作りを簡略化してもよかったのでは?と感じたりもしますが当時はとにかく「自分が納得するものを作りたい」という気持ちが強くて、やたらと手間をかけていました。
実際、黒くて大きな鞄ばかりを何個も作っては満足して、そのまま使わずに放置……
なんてことも多かったのですが、このバッグだけはかなり実用で使い倒しました。
もしかすると、自分の中では一番「活躍した鞄」かもしれません。

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