Archive Bag ミネルバボックス1枚仕立て──レザーヘルメットバッグ(1956年モデル)
- AZZWELL
 - 2021年3月28日
 - 読了時間: 2分
 
更新日:10月28日
ミネルバボックス使用のレザーヘルメットバッグ
鞄づくりの中でも、ミリタリーデザインを取り入れたモデルは、素材や構造に工夫が試される領域です。
その代表的な一つが「ヘルメットバッグ」。
アメリカ軍で実際に使用されていた装備を原点に、現代的な解釈を加えることで、道具としての力強さと日常使いの実用性を両立させられます。
今回紹介するのは、数年前に製作したミネルバボックス使用のレザーヘルメットバッグ。
過去にご紹介した初代モデルの続編にあたる一作です。
過去に紹介したヘルメットバッグの記事はこちら👉 ヘルメットバッグ
バダラッシ社レザーを贅沢に使用
このバッグのボディには、イタリア・バダラッシ社の高級皮革「ミネルバボックス」を採用しました。
しっとりとした手触りと豊かなシボ感が魅力で、経年変化によって美しい艶を纏っていきます。
特に今回の製作では底面に一切ハギを入れず、一枚革で仕立てた贅沢な仕様。
量産品ではなかなか実現が難しい構成であり、革の選定から縫製まで高度な技術が求められるチャレンジングな取り組みです。

ディテールに込めたこだわり
ハンドル部分には同じくバダラッシ社の「リスシオ」を使用し、手に吸い付くような感触を実現しました。
さらにファスナーはYKKのNo.8を採用し、開閉の滑らかさと耐久性を両立。
加えて今回のモデルではスライダーをシルバー925で自作し、日常的に触れる小さな部分にも上質さを加えました。こうした細部へのこだわりが、全体の印象をより引き立てます。

実用性とデザインのバランス
外観は薄型でコンパクトに見えるかもしれませんが、構造を工夫することで想像以上の収納力を備えています。書類やタブレットなどの必需品をしっかりと収められるため、日常使いにも十分対応。
無骨なミリタリーデザインでありながら、現代のライフスタイルにも自然に溶け込むのが、このレザーヘルメットバッグの魅力です。

一点物としての価値
しばらくサンプル置き場で眠っていたこのバッグを久しぶりに手に取ると、革の経年変化が程よく進み、新鮮な魅力を感じました。
再販できるかは別として、この一作は「こういう作り方もできる」というアイデアの蓄積でもあります。
一つひとつの鞄が次の製作につながり、ものづくりのサイクルを形作る。
その中で、このレザーヘルメットバッグもまた特別な存在です。
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