ベイカー社のブライドルレザーオーダーベルト
- AZZWELL
- 2024年5月19日
- 読了時間: 3分
更新日:10月16日
ベイカー社生成りブライドルレザーを使用したオーダーベルト
今回は、英国ベイカー社の生成りブライドルレザーを使用したオーダーベルトをご紹介します。
染色されていない生成りの革は、使い込むことで徐々に色艶を増し、自分だけの一本へと育っていきます。まさに“経年変化を楽しむためのベルト”
革好きにとって、これほど魅力的な素材はそう多くありません。
革を選ぶときに「見た目の美しさ」だけでなく「長く付き合えるかどうか」を基準にする方にとって、この生成りのブライドルレザーは理想的な素材といえるでしょう。

ブライドルレザーの中でも際立つベイカー社の魅力
ブライドルレザーとひと口に言っても、製法やタンナーによってその性質は大きく異なります。
私自身もこれまでさまざまなブライドルを扱ってきましたが、個人的な好みは有りますが、最終的に「ベイカー社のブライドルに勝るものはない」と感じています。
イギリス・ベイカー社は、英国で唯一、伝統的なピット槽を使った鞣しを続けているタンナーです。
革を丸一年、タンニン槽に浸けてじっくりと鞣すという手間と時間のかかる製法により、他では得られない強度と粘りを持った革が生まれます。
しなやかさを備えながらも耐久性が高く、毎日の使用に十分応えてくれる。これこそが「本物のブライドル」と呼ぶにふさわしい理由です。
仕立てで重視したのは“革そのものの力”
今回のオーダーベルトでは、革の持つ質感を最大限に活かすため、過度な装飾は避けました。
その分、細部の仕立てにこだわりを注いでいます。
特に力を入れたのがコバ(革の裁断面)の処理です。
1回では仕上がらないため、手で染め、磨き、整える工程を何度も繰り返しました。
この積み重ねこそが、使い始めた時の滑らかさ、数年後の美しい経年変化へとつながります。
また、穴あけの工程も手作業。
真っ直ぐに並ぶ穴の美しさは見た目の印象を左右するだけでなく、実際の着け心地にも影響します。
最後の仕上げとして穴を空ける瞬間は、何度経験しても気の抜けない緊張の場面です。

生成りの革が見せる“自分だけの色”
染色されていない生成りのブライドルは、手にした瞬間からエイジングが始まります。
日々の使用で手の油や光に触れ、自然と色が深まり、光沢が増していく。
世界に一つしかない、自分だけの革の表情が育っていくのです。
新品の頃の清らかな生成り色も美しいですが、数ヶ月、数年と経つうちに黄金色や飴色に変化していく過程は、使う人だけが味わえる楽しみ。
「日常のちょっとした楽しさ」を与えてくれる相棒のような存在になるでしょう。
ベイカー社の生成りブライドルレザーは、革の力そのものを楽しめる素材です。
今回仕立てたオーダーベルトは、余計な装飾を排し、細部の仕立てにこだわることで、革本来の魅力を存分に引き出しました。
長く使うことであなただけの色艶をまとい、日常を共にする大切な一本へと育っていくはずです。
「自分だけのベルトを育ててみたい」という方にぜひ手にしていただきたいモデルです。
金具によっても印象は大きく変わりますのでぜひご自身のスタイルに合わせてお選びください。



