ブライドルレザーベルト製作|手彫りバックルを支える革帯
- 5 日前
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前回の記事ではシルバー925製の手彫り唐草バックルの製作工程をご紹介しましたが、今回はそのバックルを支えるベルト製作についてご紹介します。
革帯の主役となるのは、当工房で長年使用しているブライドルレザーです。
なぜこのブライドルレザーを選んでいるのか
以前も書きましたが、当工房で使用しているブライドルレザーは一般的なブライドルレザーとは少し違います。
ブライドルレザーと聞くと、表面に白く浮き出たブルームを思い浮かべる方も多いと思います。
実際、一般的なブライドルレザーはブルームによる重厚な表情が魅力です。
私自身もこれまで様々なタンナーのブライドルレザーを扱ってきました。
その中で現在使用しているブライドルレザーは、一般的なイメージとは少し異なります。
写真右の革は一見するとブライドルレザーらしく見えません。
しかし触れてみると独特の手触りとしっかりとしたコシがあり、高い繊維密度と豊富な油分を感じることができます。
さらに使い込むことで柔軟性が増し、革らしい深い表情へと変化していきます。
厚みはおよそ5.5ミリ。
ベルト用としては十分すぎるほどの厚みです。
好みはあると思いますが、これまで扱ってきたブライドルレザーの中でも特に気に入っている革です。


ブライドルレザーベルト製作の始まり
そんなブライドルレザーを裁断すると、革帯というより一枚の板のような姿になります。
厚みがあるため角もしっかり立ち、そのままでは無骨すぎてベルトとして使いやすい状態とは言えません。
そこで裁断後は何度も削りながら形を整えていきます。
角を落とし、革帯全体のラインを見ながら少しずつ丸みを作る。
削っては確認し、また削る。
単純な作業に見えますが、この工程によって革帯の印象は大きく変わります。
ブライドルレザー特有の力強さを残しながら、使いやすさとのバランスを探っていきます。
その後も染色と整形を繰り返しながら、少しずつ完成形へ近づけていきます。

革帯の印象を左右する剣先
革帯の形が整ってくると、次は先端部分を仕上げます。
ベルトにとって剣先は顔とも言える部分です。
今回はお任せでのご依頼だったため剣先仕様を選択しました。
帯幅は20ミリ。
細身のベルトだからこそ剣先だけが強く主張し過ぎないよう、全体のバランスを見ながら少しずつ形を調整していきます。
ほんのわずかな違いですが、この部分の形でベルト全体の印象は大きく変わります。

手彫りバックルと革帯を繋ぐ
革帯が仕上がると、前回製作したシルバー925の手彫り唐草バックルを取り付けていきます。
使用するのは太めのフランス/シノアの麻糸です。
5.5ミリ前後ある革帯へ真っ直ぐ針を通していくため、一針ごとに確認しながら慎重に縫い進めます。
バックル単体でも十分存在感がありますが、革帯と組み合わさることで初めて一本のベルトとして完成へ近付いていきます。
前回ご紹介したバックル製作の記事も合わせてご覧いただくと、それぞれのパーツが単体で作られているのではなく、一つの流れの中で形になっていることを感じていただけると思います。

特注ホールを開けて完成
最後にバックルピンに合わせた特注の長小判型ホールを開けます。
前回の記事でご紹介したピンとの相性を考えて製作しているため、ここでようやく全ての工程が繋がります。
こうしてブライドルレザーの革帯とシルバー925手彫り唐草バックルを組み合わせたオーダーベルトが完成しました。
完成した姿はシンプルですが、その裏には素材選びから始まり、整形、染色、手縫い、そしてバックル製作まで数多くの工程が積み重なっています。
バックル製作の記事もあわせてご覧いただけると、このベルトがどのように形になったのかをより感じていただけると思います。



