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コードバン時計ベルトができるまでの制作工程

  • AZZWELL
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 3分

更新日:5 日前

今回はコードバンを使ったオーダーメイド時計ベルトの制作工程をご紹介します。

オーダーメイドの時計ベルト制作は、最初の一針から完成まで、すべてが手作業で進みます。

その工程は「製品づくり」というよりも、時計と身に着ける人の個性に合わせた設計作業です。


オーダー時計ベルト(コードバン × サドルプルアップ)の制作工程

オーダーメイド時計ベルトの制作は、本番の素材(コードバン、サドルプルアップ)でいきなり製作するのではなく、まず雛形(試作)から始まります。


今回お預かりした時計は、やや大ぶりのベゼルを持つモデル。

その存在感を損なわず、かつ手首に自然に馴染むバランスを目指し、試作を始めました。

厚みやカーブ、装着時の角度を細かく検証し、わずかな数値の違いが着け心地を左右することを確認。

試作を通して得たデータをもとに、ようやく本番用の革の裁断に進みます。


時計ベルトの雛形

シェルコードバンとサドルプルアップの組み合わせ

お客様のご希望で外装にはアメリカ・ホーウィン社のシェルコードバンを採用しました。

光沢と奥行きのある色気を持ち、使い込むほどに美しい艶が増していく最高級皮革です。

内装にはベルギー産のサドルプルアップを合わせました。

密度が高く、吟面の適度な光沢感が特徴で、手首に吸い付くようなスムースな着け心地を実現。

異なる産地の革を組み合わせることで、それぞれの特徴が引き立ち、一見すると裏表を同じ革で仕立てたような統一感を持たせることができます。


手縫いとディテールへのこだわり

仕立てはすべて手縫いで行っています。

時計ベルトは細かなパーツ構成のため、ミシンよりも手縫いのほうが強度と美しさを兼ね備えやすいのです。縫い目のピッチはやや細かめに設定。

使用する糸はフランス製シノアの細番手で、存在感を主張しすぎず、革の表情を引き立てます。

また、サルカン(ベルトループ)にも工夫を凝らしました。固定側は革が伸びることを見越してタイトめに制作し、可動側はほんの1mm弱広めに調整。

これにより、使い込んでも緩すぎず、ベルトが自然に収まる仕上がりとなります。


コードバン時計ベルト

革の質感を活かす仕上げ

革の魅力を最大限に引き出すため、過度な装飾は行っていません。

その代わり、コバ(切断面)の仕上げに時間をかけています。

一度だけではなく、染めて磨き、さらに整える作業を何度も繰り返すことで、滑らかで美しい仕上がりに。

日常的に使用しても角が荒れにくく、数年後の表情まで見据えた仕立てになっています。

こうした積み重ねが「時計にふさわしい存在感」を持つ時計ベルトへとつながります。


あなたの時計に合わせて仕立てる一本

時計ベルトは、毎日直接手に触れる革小物のひとつ。

だからこそ、自分が実際に長年使ってきて「本当に良い」と感じた革だけを選んでいます。

今回のようなシェルコードバンとサドルプルアップのコンビ仕様はもちろん、ブッテーロ、ミネルバリスシオ、マシュアなど、用途や雰囲気に合わせてご提案可能です。

すでにお持ちの時計の写真を共有いただければ、デザインや色に合う素材をご提案することも可能です。


その他の素材や使用は下記を参照ください


コードバン時計ベルト

コードバン時計ベルト


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