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ネイビーに染め上げる手染め革ベルト|厚革を染める制作工程

  • AZZWELL
  • 2022年2月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:10月28日

ネイビーに染め上げる手染め革ベルトの制作風景

今回は、厚さ約5mmの堅牢な牛革をネイビーに手染めし、40mm幅のオーダーメイド革ベルトを製作しました。「染め」という工程を自ら行うことで、素材の質感を最大限に引き出し、使う人に合わせた表情を生み出します。


革の裁断と下準備 — 厚革を活かす基礎づくり

まずは革を40mm幅に切り出します。

厚く硬いため、切り出しだけでも一苦労です。返し部分(バックルを留める箇所)は柔軟性を持たせるため、慎重に漉き作業を行い、端を丸く削って形を整えます。

この下処理が仕上がりの美しさに直結するため、手作業での微調整が欠かせません。


ベンズ革裁断

オイル入れでしなやかさを生む

厚革のままでは硬く馴染みにくいため、裏面からじっくりとオイルを入れます。

一度で仕上げるのではなく、1週間ほどかけて少しずつ油分を足しながら、革の内部まで均一に浸透させます。この工程によって、最初は硬かった革が次第に柔らかくなり、着用時のしなやかさが生まれます。



ベルト手染め

手染めで生まれる深いネイビーの色合い

染色は夕方以降、他の作業を終えた後に行います。

手染めでは、染料の吸い込みや乾燥の進み具合を見極めながら、何度も重ね塗りを行う必要があります。

1度塗っただけでは色が浅く、ムラも多いため、3〜4回に分けて徐々に濃度を高めていきます。

床面(裏側)は吸い込みが強く、あえて染め残すことで自然なコントラストが生まれます。

最初の段階では淡いブルーだった革が、数回の重ね染めを経て、深みのあるネイビーへと変化していく過程はまさに手染めならではです。

ベルト手染め2

色の定着と仕上げの繰り返し

染料が乾くのを待ち、再び染め、コバ(断面)を削って整える。この「乾燥と仕上げの繰り返し」を何日も続けることで、色が安定し、ムラのない表情に仕上がります。

約1週間ほど経つ頃には、色の深さが安定し、コバも滑らかな丸みを帯びてきます。

最終段階では、床面からオイルを薄く加えて色止めを施します。100%の色移り防止は難しいものの、実用面で問題のない仕上がりまで丁寧に整えます。


ベルト手染め比較
右が1日目

ベルト手染め 色止め

一生もののオーダーメイドベルト ネイビー

色止めと並行して、裏面がザラつかず着け心地が良くなるようツルツルに裏処理を行い、とりあえず染めの作業は終わりです。

最後にコバの最終仕上げと吟面(革の表面)の仕上げをして完成。

個人的にはかなり良い色のネイビーに近づいたのではないかと思います。

穴数も9穴と多く、頑丈なので一生使えるベルトになったのではないでしょうか。

染料染めなので色の褪色は必ずありますが、それがどのように変化していくのかも楽しみのひとつです。


(右が2〜3回染め,左が最終形)

ベルト手染め比較2

手染めベルト完成

インディゴ手染めベルト

AZZWELL - Leather & Metal Craft -

国分寺市南町2-1-27 1F

銀製品, 革製品, 革小物,ベルト, 財布, 鞄 製造

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