シルバー925バックルの価値とは|素材・仕立て・手仕事で決まる輝き
- AZZWELL
- 10月21日
- 読了時間: 4分
ベルトの印象を決定づけるバックル。
その素材に「シルバー925」を選ぶ理由には、単なる装飾以上の価値があります。
今回は、製作する側の視点からシルバー925バックルにフォーカスした魅力と“ バックルの価値 ”を紹介します。
なぜ純銀(シルバー999)ではなくシルバー925?
シルバー925とは、92.5%が銀、残り7.5%が銅を主とする合金のこと。
純銀(99.9%)よりも強度が高く、細かな彫刻やスタンプワークに適しています。
純銀や950は柔らいのでネックレスなどにはいいかもしれませんが、バックルや指輪、バングルといった外的干渉が多い品物は硬度のある925が適していると判断し当工房ではシルバー925を使用しています。
またシルバーは使用を重ねるほどに酸化による深みが増し、光と影のコントラストが美しく育っていく。
これは真鍮やニッケルメッキでは決して得られない“時間の表情”です。
見た目の輝きだけでなく、手にしたときの重量感や音の響きも925ならでは。
金属としての密度が高く、留め具としての安心感も抜群です。
形を整え、光を通す。プレーンバックルに込めた意識
バックル製作にあたりシルバー925という素材を使い、ただ形をつくっただけではまだ無機質です。
そこからどんな光を通すか、どんな表情を生み出すか──
それを決めるのは形状やデザインであり、デザインをカタチ作る手の感覚です──
面の付け方やカーブの角度、ヤスリの入れ方や削り方、様々なことを考え抜いて形にしていきます。
特にプレーンな鏡面バックルでは、光の流れを意識して仕立てていきます。
面のわずかな歪みや角度、磨きの方向で、映り込みの表情がまったく変わってしまう。
だからこそ、光がすっと通り、柔らかく反射するように、角度や面のつながりを何度も確かめます。
一見シンプルな形であればあるほど、手間と時間を要します。

唐草の流れを刻む。彫り模様に息づく手の感覚
一方で、手彫りの唐草バックルでは、その鏡面バックルに模様の流れと陰影を感じ取りながらタガネを進めます。唐草の曲線が自然に呼吸するように、強すぎず、弱すぎず。
打ち込みの深さや方向をほんの少し変えるだけで、光の表情(陰影)が変わり、立体感が生まれます。
静寂な光の流れを意識して仕立てた金属の中に動きと温度を宿す、そんな作業です。

使うほどに深まる、シルバー925バックルの表情
バックル製作で大切にしているのは、模様のあるなしではなく「流れを感じながら、仕立てること」そのものの美しさです。
光が流れるプレーンも、唐草が流れる彫り模様も、どちらも人の手がつくる“静かな息づかい”をまとっています。
長く使うほど、表面の光は少しずつ落ち着き、磨き込んだ部分や手の触れる場所にだけ、穏やかな艶が残ります。それは時間が経たないと出てこない、本物のシルバーだけが見せる深みです。
当工房のバックルは、単に装飾品としてではなく、長く付き合える“道具としての美しさ”を目指しています。使う人の時間と共に変わり、革と共にゆっくりと馴染んでいく。
その過程までも含めて、ひとつの作品として完成していくのです。
“ シルバー925バックルオーダーベルト ”の価値とは
シルバー925バックルを使用したオーダーベルトの価値は、素材の良し悪しだけでは測れません。
整形、彫金、研磨 バックルに付属する革の仕立て ──
そのすべての工程に込められた全てが “ 価値 ”を産み出しています。
光の流れを意識したプレーン、唐草の流れを刻んだ彫り。
どちらも、手が導き出す静かな存在感を宿しています。
シルバー925バックルを使ったオーダーベルトは、AZZWELLのオンラインストアにて受注制作を承っています。
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