sample bag / ミネルバボックスで仕立てたレザーサコッシュ
- AZZWELL
 - 2021年2月22日
 - 読了時間: 2分
 
更新日:9月2日
流行から生まれたレザーサコッシュ
流行の波に乗って、というと少し軽く聞こえるかもしれませんが……
6〜7年前、クラッチバッグやサコッシュが一気に注目を集めた頃。
自分でも「こういうの一度ちゃんと作ってみよう」と思い立って作ったのが、このレザーサコッシュバッグです。
例によってこれもサンプル止まり。
結局、作って満足してしまったまま、工房の奥にしまわれている一作です。

素材選びと構造
本体に用いた革はミネルバボックス。
自然なシボと、使い込むことで艶を増す経年変化が魅力です。
裏地にはミニヘリンボーン柄のコットン生地を採用し、革の柔らかさに品を添えました。
また、内装にはファスナー付きポケットを仕込み、開口部にはSilver925製のホックを取り入れています。
このホックにはタガネで模様を入れ、小さな部分にまで「遊び心」と手仕事感を込めました。


日常使いを意識したサイズ感
サイズはA4クリアファイルが収まる程度。
大きすぎず小さすぎず、日常的に扱いやすい寸法です。
さらに片側にだけマチを設け、見た目以上の収納力を確保しました。
外装にはスマートフォン用の叩き付けポケットを片側にのみ配置。
左右非対称にすることで軽さと取り出しやすさを両立しています。
この設計は実際に使ってみても非常に機能的でした。
柔軟な使い方を可能にする仕様
ショルダーストラップは取り外し可能にし、別のバッグに付け替えたり、クラッチバッグのように手持ちで使えるようにしました。
シンプルな見た目ながら、使い方の幅が広がるよう意識した部分です。
作りとしては実用的であり、収納力や仕様の工夫も悪くない仕上がりでした。
しかし最終的に「作ってみたい」という欲求を満たした時点で手が止まり、なんとなく燃え尽きてしまう。
そんなモノづくりあるあるの一例かもしれません。

このサコッシュも、他の鞄たちと一緒に「サンプル山」の中に静かに収まっています。
流行のタイミングには合わせたけれど、それを市場に出すこともなく自分の手元で完結してしまったアイテム。
ただ、こうして振り返ることで当時の流行や素材選び、構造の工夫など、自分の仕事の軌跡のようなものが見えてくる気がします。



