sample bag / ミネルバボックスで仕立てたレザーサコッシュ
- 2021年2月22日
- 読了時間: 3分
更新日:4月15日
流行から生まれたレザーサコッシュ
流行の波に乗って、というと少し軽く聞こえるかもしれませんが……
6〜7年前、クラッチバッグやサコッシュが一気に注目を集めた頃。
自分でも「こういうの一度ちゃんと作ってみよう」と思い立って作ったのが、このレザーサコッシュバッグです。
例によってこれもサンプル止まり。
完成した時点で満足してしまい、そのまま工房の奥に収まっている一作でもあります。
こうした背景から生まれた鞄も含め、用途や構造ごとにいくつかのモデルを製作しています。

素材選びと構造
本体に用いた革はミネルバボックス。
自然なシボと、使い込むことで艶を増していく経年変化が特徴です。裏地にはミニヘリンボーン柄のコットン生地を採用し、柔らかさの中に程よい品を加えています。
また内装にはファスナー付きポケットを設け、開口部にはSilver925製のホックを使用。
このホックにはタガネで模様を入れ、小さなパーツの中にも手仕事の痕跡を残しました。
容量や用途を大きく振った設計としては、資料や革見本を持ち運ぶために製作したエディターズバッグもあります。


日常使いを意識したサイズ感
サイズはA4クリアファイルが収まる程度。
大きすぎず小さすぎず、日常的に扱いやすい寸法です。
さらに片側にだけマチを設け、見た目以上の収納力を確保しました。
外装にはスマートフォン用の叩き付けポケットを片側にのみ配置。
左右非対称にすることで軽さと取り出しやすさを両立しています。
この設計は実際に使ってみても非常に機能的でした。
柔軟な使い方を可能にする仕様
ショルダーストラップは取り外し可能にし、別のバッグに付け替えたり、クラッチバッグのように手持ちで使えるようにしました。
シンプルな見た目ながら、使い方の幅が広がるよう意識した部分です。
作りとしては実用的であり、収納力や仕様の工夫も悪くない仕上がりでした。
しかし最終的に「作ってみたい」という欲求を満たした時点で手が止まり、なんとなく燃え尽きてしまう。
そんなモノづくりあるあるの一例かもしれません。

このサコッシュも、他の鞄たちと一緒に「サンプル山」の中に静かに収まっています。
流行のタイミングには合わせたけれど、それを市場に出すこともなく自分の手元で完結してしまったアイテム。
ただ、こうして振り返ることで当時の流行や素材選び、構造の工夫など、自分の仕事の軌跡のようなものが見えてくる気がします。


