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手縫い仕立のミニ財布マルチケース/テンペスティMINE

  • AZZWELL
  • 2023年3月14日
  • 読了時間: 3分

更新日:8月3日

定番アイテムである「ミニ財布にもなるマルチケース」に、今回はイタリア・テンペスティ社の白ヌメ革を使った差し込みタイプを仕立てました。

ホック式と並ぶもう一つの定番形として金具を使わずにスマートに収納できるのが魅力の仕様です。

テンペスティ MINEを使ったミニ財布マルチケース

ホックを使わず、フタを差し込んで閉じる差し込みタイプは、見た目がすっきりしていてスマートですが、実は設計が非常にシビアです。

フタの長さが少しでも長すぎれば差し込みづらく、短すぎれば閉まりが甘くなる。

革の厚みも同様で、厚すぎれば固く、薄すぎれば緩くなる。

0.1mm単位の試作を繰り返し、ようやく実用性と美しさを兼ね備えた形にたどり着きました。

テンペスティ マイネ使用のミニ財布マルチケース

このケースを「マルチケース」と呼んでいるのは、使用方法に幅があるからです。

名刺入れやカードケースとしてはもちろん、サブ財布、小銭入れ、メイン財布としても使えます。

使う人のライフスタイルに応じて役割を変えられる自由さがこのケースの魅力です。


今回使用したのは、イタリア・サンタクローチェ地区の老舗タンナー「テンペスティ社」が手がけるショルダー革「MINE(ミネ)」。

油分を控えめにした素上げ調の仕上がりで、革本来の素朴な風合いを楽しめる素材です。

中でも今回使用した染色されていない生成りの白ヌメは、経年変化の魅力が最大限に感じられる革として人気があります。

ただし、制作には非常に神経を使います。

白革以上に汚れやすく、少しの手汗やホコリでも跡が残るため製作中は極力ほかの物には触れず、集中して作業にあたりました。

テンペスティ MINE コバ磨き

手縫いにはフランスの老舗「Fil Au Chinois」の白糸を使用。糸が汚れないよう細心の注意を払い、裁断、裏処理、組み立て、コバ磨きと、一つ一つの工程を丁寧に行っています。

コバ(革の切れ目)磨きは特に緊張する工程で、磨き材が少しでも手縫い糸に付着するとシミになり製品にならなくなります。

磨き上げてはヤスリがけ、を繰り返し、最後に「ネン」を入れて仕上げました。

ブッテーロ エイジング

差し込みタイプのマルチケースは見た目の薄さとは裏腹に、収納力も申し分ありません。

マチ付きのメインポケットに加え、内側前後には独立したカードポケットを装備。


自分は片側に免許証、もう一方にカードを入れて使っています。

背面ポケットも意外と便利で、Suicaやよく使うポイントカードの収納に活躍中です。


紙幣とカードを入れる前面のスペースには微妙なカーブを設け、出し入れしやすく設計。

キャッシュレス生活が主流とはいえ、小銭や紙幣を持ち歩かないわけではない──

そんな現代的な生活にぴったりのサイズ感です。

この差し込みタイプはスマートな見た目が魅力ですが、フタの開閉に少し慣れが必要かもしれません。

開け閉めが手早くしたい方には、ホックタイプをおすすめします。

テンペスティ MINEの黒使ったミニ財布ホックバージョン

カードケースとして、名刺入れとして、サブ財布として、そしてメイン財布として。

テンペスティ社「MINE」の白ヌメで仕立てたこのマルチケースは、革の表情と使い心地のどちらも味わえる一品に仕上がりました。

気になった方はぜひ一度お試しください。


さらにもう少し収納が欲しい、カード、紙幣、小銭、分けずガバッと入れたい方にはL型ファスナーが使いやすくお勧めです。 XSサイズSサイズMサイズ


AZZWELL - Leather & Metal Craft -

国分寺市南町2-1-27 1F

銀製品, 革製品, 革小物,ベルト, 財布, 鞄 製造

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