SVコンチョが映える箱型ショルダーバッグ
- AZZWELL
- 2024年12月18日
- 読了時間: 2分
更新日:6月6日
今回は留め具に大ぶりなSV(シルバー)コンチョを使用したショルダーバッグを製作しました。
形状は一見シンプルな箱型ですが実際にはTシャツのような構造をベースにした少し変わったつくりを採用しています。縫製・構造ともに一工夫加えたこのバッグ、外観はミニマルながらも個性が光る仕上がりになりました。
このショルダーバッグは以前も制作したことがあり今回が少し仕様違いのオーダーとなります。
何が違うかというと目を引く「コンチョ」のデザインです。
前回のモデルでは装飾性のある彫り模様を入れていましたが今回は「どんな装いにも合わせやすいように」とのご要望を受け彫りなどをあえて入れず極めてプレーンなデザインのSVコンチョを採用しました。
素材そのものの質感が引き立つ潔いシンプルさがポイントです。
同じバッグでも留め具ひとつで印象ががらりと変わります。
主張しすぎずそれでいて確かな存在感、コンチョが持つ力をあらためて感じさせられる制作でした。
今回使用した革はとても張りが強く、非常にコシのある硬めのもの。
柔らかさのある革と違い製作中の融通が利かず縫製にも加工にも一筋縄ではいきません。
特に箱型の構造は革に無理な力がかかるため曲げ、縫い、折りといった工程のひとつひとつで調整が求められました。
しかし、完成したときの凛とした立ち姿はこの素材だからこそ得られるもの。
しっかりと形を保ち使い込んでも崩れずむしろ味が増していくそんな「育つ鞄」に仕上がっています。
一見してプレーンなデザインですが細部にはいくつも小さな工夫を散りばめています。
ステッチ幅や革の取り方、角の丸み、蓋の形状とパイピング幅や処理といった細部の設計には使い勝手と美しさ、バランスを意識しました。
機能性も大切にしておりフラップの開け閉めのしやすさや、肩にかけたときのバランス感も細かく調整しています。
このバッグを手に取る方の日常の中でさりげなく個性を添えられたら嬉しい限りです。
コンチョも革も使い込むほどに表情が変わっていく素材です。
どうぞ長くご愛用いただけますように。
